Vol.10 グレイシア

どうもどうも。御機嫌麗しゅう。



皆さんいかがお過ごしでしょうか。

世間ではコロナくんとかいうアクティブな陽キャが国を越えて飛び回ってる昨今です。本当に陽キャってやつは、なんでああも人様の迷惑になるかどうかの分別がつかないんですかね。「生きたいように生きる」、それが陽キャ座右の銘だという風に言われていたり言われていなかったりですが、到底理解し難い価値観でございます。え?わたしですか?わたしの座右の銘は「自分と美人には嘘つかない」です。ちなみにこの座右の銘、男ウケは悪いです。


さてさて、コロナのせいかわたしの人生がただただ空虚なせいか、しばらく御無沙汰になってしまいましたね。今更ながらお詫び申し上げます。
ブログにするほど中身のある話がなかったもので、随分空いてしまいました。

以前と変わらず空虚な日々を無駄に布団の上で過ごすばかりではあるのですが、いささか空虚にも限度があるという訳で、こうして筆を取っている形になります。
面白いかどうかは保証しかねますが、まあおうち時間(笑)の一環としてお付き合いいただければ幸いです。


コロナのおかげで家から1歩も出ない生活をしていると、いくらインドア派のわたしでも退屈に感じて数少ない友だちに電話をかけてみることもしばしばなのですが、電話をかけたところで「コロナヤバくない?マジヤバくない?」とギャルより拙い語彙でしか会話ができなくなっている今日この頃。仕方なしに、ギャル以上の語彙を持つ友だちを探す訳ですが、あの頃は利口だった友だちも大学という名のぬるま湯に染まり、もはやチンパンジー以下の語彙になる体たらく。全く見てられません。「こういう奴がクラスターになるのだなぁ」というギャルなりの悪態をそっと胸のうちにしまい、電話を切って溜め息をつく訳です。マジウケる。


就活など呼ばれるクソしょうもない自慢大会も相まって、最近自分の身近な人間について考えることが増えてきました。そうして顔を思い出していると、近況が気になったり昔話に再度ムカついたり様々で楽しくなり、またとりあえず布団でまったり過ごしてしまう。これは決してわたしに落ち度があるのではなく、思い返すだけで予期せずにも眠れてしまいそうなくらいマヌケな顔をした友人各位に非があることは御理解いただきたい。

美人の顔を思い出すときは元気良く夜更かしをするのですが、生憎そういった知り合いは知らない間にわたしという陳腐な器には収まらない器量になっていることがほとんどです。どうしてこうも美人は世渡り上手なのか。せめて社会適合能力くらいはこっちに分けてあげてもいいと思わないか?
この嘆きの裏には「美こそが社会を形成する、醜は社会に淘汰される」という残酷すぎる真実があります。コロナのおかげで学校がなくて喜んでいるような、青春を素人のブログを一読してドブに捨てている学生読者各位には心当たりがあるかとは思いますが。


青春というものをドブに捨てるどころか、小学生の頃にクソしたあとに「これどれくらい使っていいんだろう…!」とワクワクして引っ張りまくったトイレットペーパーみたいな使い方をして汚水に流したわたしも、無理くり中高生活の想い出を振り返ると、印象深い縁のひとつやふたつくらいはあり安堵しています。

その中からひとつ、今日はここでお話しようかなって思っている訳です。

びっくりしました?ここまでオープニングトークです。やりたい放題ですよねこいつ。話が長ぇよってな。素人がイキるなって。ほんとダセえなぁって。まあまあ皆さん、コロナのストレスをわたしにぶつけるのもその辺にしていただきたい。そろそろ泣いちゃいますよわたし。


彼は中学の同級生で、中1のクラスが一緒でした。もっとも、わたしは中高一貫校に通っていたので彼とは高校も一緒なのですが。

出席番号も大して近くなく、お互い陰キャの顔をしていましたから、最初に中学の最寄り駅で見かけたときは「そういやクラスにこんな顔のやつ何人かいたなあ」という程度でしかなかったです。男の顔を逐一覚えて一喜一憂するほど暇じゃないので。
美人の顔だけ覚えてた方が幸せに生きられるって信じてます。

お互いゲーマーだったのもあってそこそこ仲良く過ごしてたんですが、同じくお互いに女好きだったせいで「用があれば連絡する」みたいな距離感であったことは確かです。
あ、別に女好きだからって実際に女の子とイチャイチャできた訳ではないですよ。早とちりなさらぬよう。彼とわたしのあらぬ噂が広まったら大変です。2人とも純粋でキュートなシャイボーイだということは頭の片隅に置いておいていただきたい。



ただですね、わたし、彼のこと好きじゃないんですよ。



2人ともガリガリで、ゲーマーで、女好きで、目が悪くて、陰キャで、小学校の頃好きだった女の子の名前が同じで。



こんなんムカつくんですよ。どちらかがどちらかの二番煎じみたいで。ふざけんなよほんとに。生き写しみてえなのが出てきやがって。どちらかがドッペルゲンガーではないかと思ったんですが、どちらも消滅していないところを見るとどうやらそうではないらしい。


ずっとずっと、わたしより中学の頃は成績が良かったのが気に食わなかった。わたしより運動できるのが気に食わなかった。わたしよりゲーム全般上手いのが気に食わなかった。


お前もそうなんじゃないのか?


似たもの同士のくせに、お前より身長が高くて、女の子とこっそりイチャイチャしてて、文化祭ではイキイキ接客してて、姉貴がいるおかげでバレンタインチョコを毎年多く貰ってる俺が気に食わなかったんじゃないのか?


なんて、最近そんなことを思います。


中学の頃は成績が良くて、学年でもトップクラスだった彼が、高校に上がったらわたしと大差なくなってたとき、なんかショックだったんですよね。

中学の頃から彼の身長がほとんど伸びないのを見てるのも、彼の大学受験の結果が奮わなかったのも。どことなく淋しかった。


口先では言うんですよ。「ざまあみろ」って。「お前なんてどうせそんなもんだ」って。そうすると腹立った顔でぐちぐち小声で文句言ってくるんですよ。まあ、それ見て「ダセぇぞお前」って煽るんですけど。



ふざけんなよお前ほんとに。お前がこんなとこまで堕ちてくんじゃねえよ。お前はちゃんと上にいやがれ。お前は大学入って眼鏡をコンタクトに変えたってモテねえんだから諦めろ。眼鏡のままでもごく稀に女の子とイチャイチャしてるわたしを見習えバカ。ブログだって絶対わたしの方が面白いからな。こうやって“負け惜しみ”を言わせてくれよ。


上に立ってるお前をジャイアントキリングして、俺が主人公になるんだよ。それまで上でふんぞり返って待ち構えていやがれ。クソ野郎。



とりあえず、お誕生日おめでとう。「ブログ読んだよ」って言ってきたら飯くらい奢ってやるよ。お前どうせ読まねえだろ。こんなところで不特定多数にお前の身長が低いことをばらまかれてるっていうのに、どうせお前はポケモン厳選でもしてるだろ。そういう奴だよお前は。昔わたしに負けてるくせに。



ぜっっっっっったいにわたしはお前にだけは負けないからな。あらゆる分野で。絶対にボコボコにしてやる。絶対にお前の嫁より美人な子と結婚してやるからな。式には呼ばねえけど。



だから、お前も俺なんかに負けるなよ。お互い病弱なんだからくれぐれも体には気をつけて。